Q:霊的同伴(スピリチュアル・ディレクション)とは?
「霊的同伴」は、スピリチュアル・ディレクター(霊的同伴者)が、霊的同伴を受ける側(被同伴者)の信仰の旅路に寄り添い、被同伴者が、神のご臨在や御業に注目し、静かに示される神の招きに気づき、応答していくことを促します。一緒に聖霊の声を識別していきます。
神様に聴き、お互いに聴き、自分と向き合うゆったりとした時間を持ちます。共に主を求め、立ち止まって主を見つめる、そのような時間が霊的同伴です。
霊性が整えられるプロセスでもあり、日々の生活の中においても、神との歩みが深く育くめられることへつながることを期待します。
英語では「スピリチュアル・ディレクション」と呼ばれます。神が私たちにディレクション(方向)を与え、私たちの霊のディレクター(導き手)であると考えます。霊的同伴では、同伴を受ける側が、神様との歩みや心の動きについて分かち合い、聖霊の声に聴きながら、自分自身や信仰を見つめたり、新たな発見を待ち望みます。
Q:霊的同伴はどのような人に向いていますか?
神との関係を深めたいと願っておられる方、御心は何か識別されたい方、祈る心や機会を求めておられる方、聖霊の声を聞きたいと思っている方、どう思われるか心配することなく自分のこと(特に霊的生活に関係すること)を分かち合いたい方、静まりの時間を聖別されたい方、などが特徴的です。
信仰の転換期を通っていたり、乾いた神との関係をどうしたら良いのか悩んでいる方にも向いています。熱い信仰の思いがあってもなくても、問題や悩みがあってもなくても、霊的同伴を受けれます。基本、どなたでも大歓迎ですが、ご自分の内省、また霊性に向き合おうとされている方、神を求める思いがある方に、霊的同伴という形での時間は有意義なものとなります。
Q:どれくらいの頻度で行われるのですか?
同伴のセッションを持つ間隔は、だいたい3−4週間あいています。霊的同伴の間に、新たな気づきや語りかけがあることも多々ありますし、また終わってから思いを巡らすことによって、神との語らいの中で示されることもあります。真のディレクターである聖霊が働かれるスペースや時間をゆったりとること、また同伴者にすぐに頼ってしまうのではなく、神との祈りの中で委ねたり、神の導きを見極めることを促します。それゆえ、セッション以外では、同伴者と被同伴者は、セッション以外ではコミュニケーションをとらないことが勧められています。
Q:宿題やテキストなど、準備することはありますか?
ありません。ただ、毎回集まるたびに、「神様に聴こうとする姿勢」、そして「今のありのままの自分」を持ってくることが、参加者の方に求められる課題です。
Q:バイブルスタディーとの違いは何ですか?
バイブルスタディーは聖書の学びに集中します。御言葉を蓄えることは、クリスチャンとしての歩みの中でとても重要なものです。スピリチュアル・ディレクションは、知的な学びではなく、心の動きに「聴き」、神様が新たに示してくださることに焦点をおいています。 グループによる霊的同伴では、他の兄弟姉妹の状況に寄り添い、共に神を体験するコミュニティーとしての役割もあります。
ですから、スピリチュアルディレクター(霊的同伴者)は、教えたり、ゴールを設定したり、会話を導いたりはしません。あくまでも、ディレクター(被同伴者)の心のうちにあること、御霊の導きを共に探っていきます。
Q:メンタリングとの違いは何ですか?
セカンドレベル・ミニストリーではメンタリングを「メンターが、個人的な関係を通して、メンティーの霊的成長を促し、祈りを持って意図的に相手を導き、寄り添うプロセス」と定義しています。霊的同伴は、メンタリングと重なっているところもありますが、メンタリングやコーチングのように師が生徒を指導するものではありません。また導き手が「意図的な」プランやカリキュラムを持っていたり、アドバイスを与える時間でもありません。「霊的成長を促す」というヘルパーとしての感覚よりも、霊の旅路に共に寄り添う、という姿勢を取ります。長期的な目線を持って「プロセス」と考えるよりも、「今、神をどこに見出すことができるか、何を語っておられるか」という視点を大切にしています。どちらかが優れている、ということではなく、どちらのアプローチも、必要に合わせて利用することができます。
Q:グループでのスピリチュアル・ディレクションでは何をするのですか?
「神は今、私の人生の中で何をされているのか。」グループによる同伴は、「聴く」ことに重点を置いている集まりです。 お互いの思いを聞き、自分の心の声に耳を澄ませ、御霊の導きに耳を傾けるときです。グループディレクションでは5~7人で集まり、約1時間半の間、沈黙の時を十分に持ちながら、「聴く」時間を意図的に持ちます。神との関係を互いに助け合い、御声を受け止めていくことがグループスピリチュアル・ディレクションの一番の目的です。互いの支えと祈りの輪を通して、聖霊の語りかけを共に体験していきます。共に主を求め、立ち止まって主を見つめる、そのような時間です。
グループディレクションでは、意図的に沈黙の時間が多く含まれています。方向性が与えられない、ただの沈黙ではなく、ディレクターが霊的修練や質問を提供しつつ導きます。
Q:グループセッションの流れはどんな感じですか?
最初にスピリチュアルディレクターが短く霊的修練の時を導きます。それを元に、メンバーそれぞれが、沈黙と黙想の時を持ちます。次に一人の参加者が、自分に語られたこと、また日常生活の中で気にかかっていることを分かち合います。他の参加者はその話に耳を傾け、主がどのようにその人の人生に働いているのか、思い巡らせながら聴くことに集中します。 分かち合いをされた方に対して、神との関係や感情に焦点を当てた質問をし、神に聴くこと、互いに聴くこと、自分の心に聴くことに意識しつつ会話を進めます。
参考文献
ESDA (Evangelical Spiritual Directors Association)
SDI (Spiritual Directors International) 霊的同伴者インターナショナル
「魂をもてなす〜霊的同伴への招待」中村佐知著